農家組合員の高齢化と世代交代が進む中、担い手の確保・育成は喫緊の課題であり、JAにおいてそれぞれの地域実態に応じた相続・事業承継支援に取り組むべく、相続相談体制の整備・強化を進めています。
JAグループ長崎では、2月20日、相続相談体制・取り組みの強化に向けた検討会議が開催され、県内の先進的な事例としてJA長崎せいひの取り組み、県域の今後の取り組みとして農林中金及び全共連、全農、中央会から説明があり、意見交換がなされました。本稿では、その概要について紹介します。
1.長崎県におけるこれまでの取り組み
(1)本県におけるこれまでの取り組みと先進JA視察について
JAグループ長崎では、令和5年12月に中央会の理事会において、各JAの組合長に対し、JAの貯金額や出資金の年代別割合を提示し、相続相談に取り組む必要性と意義を伝え、共有しました。
その後、県内のJA・県域組織の担当者で、令和6年3月にはJA京都やましろとJA兵庫南へ、7月にはJA北つくばとJA相模原市への視察研修を実施しました。また、令和6年5月に、全国4連(全農、全共連、農林中金、全中)でJAグループ相続相談強化方針が策定されたことを受け、9月に再度中央会の理事会及びJAバンク運営委員会にて、相続相談の必要性について確認し、11月に県下のJA経営担当部課長会議にて周知しました。視察に関して、JA北つくばでは、支店窓口担当者が受付シートを記入してもらい、その後の個別対応は本店の担当者が地元専門家と連携して行う個別相談サポート体制をとっていました。
JA相模原市では、支店職員が知識・スキルを深め、コア層(大口資産農家)を中心とした提案活動を通じて、遺言信託に力を入れていました。
両JAとも、各部署間の連携を図りながら、農協の強みを生かした「組合員に寄り添う」相続相談を展開しており、これらを参考に、長崎でも相続相談に取り組んでいく必要があります。
(2)女性部での取り組みについて
長崎県中央会は、JA女性部員に対し、終活・相続について触れてもらうため、これまで地域女性部活動の一環として終活に関するセミナーを実施してきました。本年度から特に強化している取り組みとして、エンディングノート「いまから帳」の活用を進めており、JA事務局が同資材の活用方法に関する研修を開催できるようマニュアルを作成し、各JAを巡回・生活指導員研修会にて説明しています。
また、「いまから帳」記入促進に向け、スタンプラリー形式とした助成制度を設け、全項目記入できた場合には1人あたり千円、1JA上限10万円の助成を行います。
JA事務局がサポート役となりいまから帳を記入することで、女性部員の相続に対する興味関心を高め、女性部員の配偶者にも遺言書の重要性を理解してもらうことで、最終的には遺言書の作成へつなげることがねらいです。
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